シンプルなフォルムに手仕事の温かみを感じる北欧デザイン。その洗練された美しさは、インテリアのみならず、北欧食器、さらにはナイフやフォーク、スプーンといったカトラリーからも感じることができます。そんな北欧生まれのカトラリーの中から、おすすめをご紹介します。

デンマーク王室御用達、カイ・ボイスンのグランプリ  

デンマークデザインの巨匠、カイ・ボイスン(KAY BOJESON)。彼が1938年にデザインしたこのカトラリーは、1951年の第9回ミラノ・トリエンナーレでみごと最優秀賞を受賞したことから、グランプリ(GRAND PRIX)と呼ばれるようになりました。デンマーク王室や世界各国のデンマーク大使館で長きにわたり使われてきたこのカトラリーは、現代の私たちから見ても、決して古さを感じさせることのない風格をそなえています。
この美しいデザインを手頃な価格で手に入れることができるのも魅力です。というのも、このグランプリシリーズは、日本の優れた技術への信頼から、1991年から新潟県燕市にある大泉物産に製造が依頼されているのです。全28種類とデザインも豊富で、つやのあるミラー仕上げとつや消しのマット仕上げから選べます。

巨匠カイ・フランクデザインのカトラリー、スカンディア

フィンランドが誇る名デザイナー、カイ・フランク(Kaj Frank)は、優れたデザインを日常的に普及させたいという姿勢を貫き、「フィンランドデザインの良心」とも謳われました。彼は1948年にアラビア社から食器・キルタを発表し、装飾的な食器が良しとされていた保守的なテーブルウェア界に衝撃を与えました。ついで1952年にハックマン社から発表したこのスカンディア(Scandia)は、以後40年近くものあいだ北欧の家庭で愛されてきたロングセラーです。1989年以降廃盤となっていたこの名作カトラリーは、2015年にイッタラ社で復刻されました。シンプルかつモダンなフォルムからは、機能性の追求から生まれた美しさが感じられます。同じく彼がデザインしたティーマやカルティオといった北欧食器のスタンダードとともに、トータルコーディネートしてみてはいかがでしょうか。


スウェーデン王室御用達、ゲンセのフォルケ・ド・リュクス

創業1856年、伝統あるスウェーデン王室御用達のカトラリーブランド、ゲンセ(GENSE)。スウェーデンのストックホルム市庁舎で毎年12月10日に開かれるノーベル賞の晩餐会にもそのカトラリーが使われています。1955年にスウェーデンのヘルシングボルイで開催された国際博覧会で発表され、大反響を呼んだフォルケ・ド・リュクス(FOLKE DE LUXE)。2006年に復刻されたこのカトラリーは、モナコ王妃グレース・ケリーも愛用したことでも知られる、由緒あるカトラリーです。シックな樹脂製の柄の部分と、マットなステンレス部分の対比がエレガントで、ニューヨークタイムズの「近代のベストデザイン100選」にも選ばれています。先端部分のミニマムな長さは革新的でさえあり、そのカーブを描くフォルムが温かみを与えています。

ジョージ・ジェンセンとアルネ・ヤコブセンのコラボレーション

デンマークを代表する建築家でもありデザイナーでもある、アルネ・ヤコブセン(Arne Jacobsen)。ミッドセンチュリー・デザインの名作セブンチェアや、北欧インテリアの代名詞とも言えるエッグチェアでその名を知られています。彼は、コペンハーゲンのSASロイヤルホテルの建築から内装にいたる全てを手がけました。その一部が先のエッグチェアであり、ホテルオープン前年1957年にデザインされた、このAJカトラリーなのです。流線型のスタイリッシュなフォルムを持つこのカトラリーは、スタンリー・キューブリックのSF映画『2001年宇宙の旅』(1968年、アメリカ)でも使われました。デンマークのジュエリーブランド、ジョージ・ジェンセン(GEORG JENSEN)とのコラボレーションによって、現代によみがえったAJカトラリー。今も色あせない、新鮮な魅力にあふれています。

ハックマンとムーミンの、楽しいコラボレーション

1790年に創業された、フィンランドを代表するキッチンウェアブランド、ハックマン(HACKMAN)。日本ではヴィンテージのステンレスケトルでその名を聞くことも多いブランドです。そして、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの言わずと知れた人気キャラクター、ムーミン。両者がコラボレーションしたムーミンカトラリーは、売り切れ必至のかわいさです。さすが老舗ハックマンが手がけただけって、キュートな中にも高級感ただようデザインは、子どもだけでなく大人が持っても違和感がありません。やはりフィンランドのデザイナー、カイ・フランクがそのフォルムをデザインしたティーママグとおそろいで限定発売されたり、年によってデザインが異なったりするので、コレクター心をくすぐられるアイテムです。

北欧デザインとゆかりの深い大御所、柳宗理デザインのカトラリー

日本が誇るインダストリアルデザイナー、柳宗理。彼は戦後名だたる北欧デザイナーと交流してその影響を受け、また北欧でも大いに受け入れられました。1950年代から70年代にかけて、スティグ・リンドベリやカイ・フランクら多くの北欧デザイナーが来日します。彼らは柳宗理や剣持勇、浜田庄司ら当時のデザイン界の著名人と交流を持ったのでした。1957年には柳も北欧を旅行しています。そして1981年にはフィンランドのヘルシンキで開催されたicograda、ICSID、IFIによる国際デザイン会議で基調講演を行っています。さらに同年フィンランド・デザイナー協会の名誉会員にもなっているのです。柳の目指したアノニマスで実用的なデザインは、デザイナーの無名性をモットーとしたカイフランクの、機能性の追求から生まれる美しさと共鳴するものがあります。シンプルかつオーガニックなフォルムのステンレスカトラリーは、実物サイズの模型で試作を重ねる中で生まれました。

まとめ

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